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薬剤関連あご骨腐る 抜歯OKに変更



お元気ですか。well-being  歯科医師の雅です。
お口の健康から、人生の幸福をもたらします。

骨粗鬆症や骨のガンに使用される薬の副反応で
顎の骨が腐ることがあります。

顎骨壊死(がっこつえし)と呼ばれ、腐るのは
なぜか顎の骨が多いのです。




薬剤関連の顎骨壊死について、学会で検討され
概念が変わりました。

2016年 ARONJ(骨吸収抑制薬関連顎骨壊死)
2023年 MRONJ(薬物関連顎骨壊死)に変化

「エムランジ」と呼び名が変わりました。
必ずしも骨粗鬆症の薬だけではないからです。


重度の歯周病や根尖病巣(こんせんびょうそう)
などの多くは、すでに顎骨に細菌が感染済みで

抜歯が顎骨壊死(MRONJ)の原因ではないが
重度歯周炎の歯は、抜歯した方が良いです。

歯周病菌など、口腔内細菌の感染が原因です。
徹底したプラークコントロールが重要です。




MRONJの診断も、概念が変わりました。
以下の3つが揃うと、診断されます。

① 骨粗鬆症やデノスマブ製剤の治療歴あり
  or 血管新生阻害薬や免疫調整薬と併用歴

② 8週間以上続けて、口腔・顎に骨露出あり
  or 顔から骨に達する、穴が開いている

③ 顎骨に放射線照射歴なし、がん転医なし


骨粗鬆症の薬(BP製剤)を服用している患者
さんの抜歯に注意、という概念が変わります。

休薬しても、抜歯による顎骨壊死の発症率は
低下しない、ことが明らかになりました。

つまり、抜歯以外に顎骨壊死(MRONJ)の
原因がある…ということになります。



休薬のために、抜歯が延期されると
歯が原因で、顎骨感染が進行するリスクあり。

休薬が長期に及ぶと、明らかに骨粗鬆症が進行
するリスクが高くなる。

今日、血液抗凝固剤(血をサラサラにする薬)
も休薬しないで抜歯するのと、同じです。


薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)に注意の薬は、
ゾメタ、ボンビバ、リカルボン、ベネット、
リセドロン、ランマーク、プラリアです。

骨粗鬆症、がん、自己免疫疾患にならない
ように、予防することが大切です。

マイナ保険証を出していただくと安心です。
服用中のお薬が、詳しくわかるからです。



細菌感染しないよう、口腔ケアが重要です。
骨が露出しないよう、一肌脱ぎます。(笑)

well-being !!

医療法人百成会
ちば歯科医院 千葉雅之

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