食べる飲み込み困難 摂食えん下障害
100歳までお口から、健康と幸福を守り続ける
well-being 歯科医師のちば雅之です。
摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害とは、
ものを食べたり、飲み込むのが難しい状態です。
厚生労働省の調査では、摂食嚥下障害の患者数は
100万人を超えているそうです。
岩手県の人口が116万人なので、ほぼ一致します。
それだけ多くの方が、食事に苦労しています。
その原因は、脳卒中・頭頸部がん・神経筋疾患・
皮膚筋炎など炎症性の病気が多くを占めます。
他の原因に、認知症・脊髄(せきずい)損傷・
錐体(ついたい)前部骨化などがあります。
摂食嚥下障害(食べたり飲み込みできない状態)
が続くとどうなるのでしょうか。
誤嚥性(ごえんせい)肺炎、脱水症状、栄養失調、
窒息で、死を迎えることになります。
食事ができないと、死が近づいてきます。
食という字は「人を良くする」と書きます。
入院、入所しても、食事ができなくなると、
孤立してしまい、うつ病になる方もおります。
ご家族は、重い介護負担を強いられるばかりか
重い経済的負担も伴います。
そこで、お口から食べられないならば、栄養を
胃に直接届ける胃ろうという方法があります。
しかし、一度胃ろうを造設してしまうと、
一生涯そのままになる可能性が高いです。
栄養と薬が直接胃に届けられるため、看護と
介護の現場では、負担が軽減されます。
しかし、お口から物を食べないと、口腔内が
不潔になりやすく舌に苔(こけ)も付きます。
口を開いていることが多く、口腔内が乾燥し
誤嚥性肺炎で、熱発が起こります。
私達や家族が、嚥下(えんげ)障害であるか
どうかを、簡単に調べる方法があります。
反復唾液飲みテスト(RSST)です。
Repetitive Saliva Swallowing Test
30秒間で自分の唾液飲み込みが2回以下だと
嚥下障害の疑いがあります。
簡単な方法なので、皆でやってみましょう。
飲み込みを鍛えるには、あいうべ体操です。
「あー、いー、うー、べー」10回1セットを
朝昼晩で1日30回(3セット)やるだけです。
ベロを鍛えて、飲み込みを良くして、ムセを予防し
健康寿命を延ばしましょう。
well-being !!
医療法人百成会
ちば歯科医院 千葉雅之