ちば歯科医院|医療法人百成会

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歯肉出血 歯周病が全身に及ぼす影響

 

100歳までお口から、健康と幸福を守り続ける
well-being 歯科医師のちば雅之です。

リンゴをかじると、歯ぐきから血が出ませんか?
昔なつかしいデンターライオンのコマーシャルです。

かつては歯槽膿漏と呼ばれていたこの病気は、
歯周病と名前を変えました。

今では、国民の約8割の人が罹患している
世界一の感染症で、ギネスブックにも載っています。

歯周病菌は、空気を嫌う嫌気性(けんきせい)菌で
歯と歯肉の間が、格好のかくれ場所です。

お口の中を不潔にしていると、歯肉溝で歯周病菌が
増殖して、歯周ポケットをつくります。

歯肉から血が出るときは、歯周病が活動中の証しです。
歯周病菌が歯肉の毛細血管から動脈に達すると大変です。

血管内に血栓を作り、菌血症と呼ばれる症状になります。
全身を90秒でかけめぐる血液は、途中に血栓があれば、

通り道が狭くなり「狭心症」、圧が強くなり「高血圧」
を引き起こします。

これにより、心臓病、脳梗塞、肺炎、糖尿病、早産、
低体重児出産を引き起こしてしまいます。

血栓の周りには、コレステロールも集まり、
動脈硬化を引き起こして、血管が詰まりやすくなります。




昔からの常連患者さんが久しぶりに来院しました。
夫婦共々、八十代となり、旦那さんを介護中の来院です。

歯周病検査により、重度歯周炎と診断いたしました。
歯の周りから血が出て、歯がグラグラしている状態です。

ほとんどの歯が、抜歯した方がよい状態です。
しかし、この患者さんは、抜歯を希望しませんでした。




このままでは、全身の病気から、命に関わるとお伝えし、
レントゲン写真をご覧いただき、丁寧に説明しました。

「いいから抜かないで、まず、簡単にやってちょうだい。」
「抜歯しないで、新しい入れ歯だけを作ってちょうだい。」

医学的にどんなに必要な治療であっても、
患者さんの同意が得られないと、抜歯することはできません。

昔であれば、歯科医師の思い通りに抜歯したかも知れません。
時代の変化に伴い、説明後は患者さんが治療法を選択します。

「グラグラな歯があっても抜歯しないで、簡単にやって。」
と言われる時に、自分の無能さを感じます。(笑)

患者教育はとても大切です。重度歯周炎で予後不良でも
リスク(危険性)をコントロールするしか方法はありません。

次回は、患者さんに歯周病の進行を実感していただけるよう、
探針を歯肉縁下の歯根面に添えてザラザラ感を伝えてみます。

well-being !!

医療法人百成会 
ちば歯科医院 千葉雅之

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