患者直伝 抜歯の責任を取る歯科医師
お元気ですか。雅です。
well-being な 歯科医師です。
この患者さんの左下6番は、銀歯ですね。
フルメタルクラウン(FMC)と呼ばれます。
この歯は、6歳臼歯と呼ばれる歯であり、
むし歯で何度も削られてきた歴史があります。
歯の栄養を司る神経と血管(歯ずい)も取り、
金属の土台を入れたようです。
金属の土台は、歯に強い力が加わると、
土台は割れずに、歯根が割れる恐れがあります。
この患者さんは、左下6番をギュッと噛んでいる
うちに、歯根が割れてしまい激痛が走りました。
痛くてかめないので、抜いて欲しい…と言われ、
抜歯いたしました。(泣)
半年が過ぎた頃に、患者さんはこう言いました。
歯が無くてかめないので、元通りにして欲しい。
元通りにする…ということは、入れ歯やブリッジ
ではなく歯を1本再現するしか方法がありません。
最後の手段で、インプラントをオススメしました。
当時は、インプラント専門医に紹介していました。
そしたら患者さんは「先生が抜いたんだから、
先生が責任取って、元通りにして」と言いました。
私が、インプラントですか? と思いましたが、
確かに患者さんの気持ちも良く分かります。
そこで、インプラントを学び始めました。
セミナーに出かけて、必死に学びました。
当時は、栃木県からインプラントの先生をお招き
して、手術に立ち会っていただきました。
こうして、汗をかきながらインプラントを埋入し、
2カ月待って、骨と結合することを確認しました。
その後に、型取りして製作したアバットメント
(チタン製の土台)を装着しました。
インプラントは骨にしっかりと結合しており、
指で押しても、全くグラグラしません。
骨にも歯肉にもお構いなしに結合するチタン
という金属の素晴らしさに、感動しました。
今では、骨折の手術、脳内クリップなど、
体内にも用いられている金属(チタン)です。
結果的に、セラミックスによる上部構造を装着し
隣の歯を削らずに、元通りに回復いたしました。
患者さんは、大満足です。この日から20年以上の
月日が経過しておりますが、経過良好です。
歯科医師が歯を抜いたら、自らが責任を取る。
この日以来、私の座右の銘になっております。
患者さんの望みを叶えることが、我々歯科医師の
つとめです。明日もがんばります。
well-being !!
医療法人百成会
ちば歯科医院 千葉雅之