ちば歯科医院|医療法人百成会

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左胸が痛い 重度歯周病が原因だった



お元気ですか。well-being  歯科医師の雅です。
お口の健康から、人生の幸福をもたらします。

この頃、脳の血管や心臓の血管が詰まるなぁ…
と感じることは、ありませんか。

血栓(けっせん)という血の塊が血管内で
できると、血管が詰まり障害を起こします。



心臓から出た血液は、全身を回って心臓に
戻るまで、一周30〜60秒と言われています。

途中で血管が詰まると、大渋滞です。
血圧が高くなり、破裂するかも知れません。

脳梗塞や心筋梗塞は、血栓から始まります。
歯周病菌が血管に入ると、血栓を作ります。



昨日の帰り際に「左側の胸が痛い」と訴えた
患者さんが、本日再来院しました。

昨日は、右上のグラグラな歯を抜いたら
「頭がスーッと楽になった」と申しました。

今日も「左胸が痛い」と申しております。
心筋梗塞の疑い、歯周病の関連を疑いました。



左側の痛い部分を、指で探してもらいました。
左の目の下、心臓部分を触知しています。

左上の歯が原因で、心臓に痛みが出る可能性
について、詳しく診査することにしました。

目の下の部分は、左上の歯において歯根先端
の部分です。以下に、口腔内写真を示します。



上顎には、長いブリッジが装着されています。
すべての歯を削って、連結されております。

歯科界で当たり前に行われてきた連結冠は
フロスを通すことができず、清掃困難です。

歯肉と冠の辺縁も合っておらず、歯肉の色も
黒くなってきて、歯根が露出しています。



デンタル・エックス線写真で診査しました。
ブリッジを支える骨が、溶けております。

患者さんが目の下を指さしていたのは、
この歯の付け根部分であると思いました。

左胸(心臓付近)の痛みは、この歯が原因の
可能性を説明して、抜歯の同意を得ました。



ゆっくりと無痛麻酔を施しました。
うがいが終わってから、指で抜歯しました。

重度歯周病の場合は、歯を支えている骨が
すっかり溶けてしまっています。

グラグラな歯を抜歯した歯ぐきは、
どす黒かったのに、ピンクに変わります。



 

歯根に歯石が付いて、腐っています。
奥に伸ばして、シーソーの様です。

アメリカのボストン大学の研修で学びました。
「顎関節側にブリッジを延長してはいけない」

建築条件が厳しくなったように、歯の条件も
見直しが必要です。単冠仕上げが理想的です。



歯の治療は、緊張してしまうものです。
術中の血圧は、140/90 mmHg 超えです。

166/99 mmHg は、高血圧の分類です。
抜歯が終わると、血圧は下がりました。

136/79 mmHg は、正常範囲内です。
抜歯後は、圧迫止血で経過観察です。



抜歯後は「胸の痛み」が楽になったそうです。
待合室で1時間、お休みいただきました。

人生いろいろなことがあります。
歯の数は減りましたが、健康寿命は増えます。

傷が治ったら、残りの歯を丁寧に治療して
上下に新しい(美しい)入れ歯を作ります。
 
歯科医療において、大切なことはハートです。
患者さんの心(Heart)を考えるのが一番です。

毎晩遅くまで起きていると、脳に酸素が不足し
血栓ができてしまいます。(怖)

well-being !!

医療法人百成会
ちば歯科医院 千葉雅之

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